私たちのプロジェクトが生まれた背景

クオリティー・オブ・ライフ(Quality of Life,:QOL)という言葉があります。日本語では「生活の質」となりますが、がん患者にとっての QOL を左右する要素は何でしょう?簡単な答えはありませんが、私たちは退院後の療養の行われ方に注目しています。

近年のがん治療は入院期間が短くなっています。通院による化学療法を選ぶ人も少なくない。こうした状況の中で、がん患者一人ひとりが抱える不安の解消を図ったり心のケアを行うことは、容易ではありません。

宮城県内には、がん患者の療養を支援する仕組みがあります。私たちは、こうした仕組みの利用を促し、一人でも多くの患者が前向きに療養できるような環境を整える必要があると考えています。

またこうした環境の整備には、病院と患者・市民が参画する必要があると考えています。一人でも多くの方がこの課題に参加できるような道筋を作る必要もあるでしょう。

私たちの目標と計画

宮城発プロジェクトは、初回退院時の患者向けに「退院サポートキット(*)」を作成、配布し、病院には「退院支援システム(**)」の導入を支援します。

(* ) … 退院サポートキット:支援団体の連絡先や療養中の注意点など記載した冊子

(**) … 退院支援システム:先進事例を基にした退院後支援の指針を提供

  • 2009年12月までに「退院サポートキット試作版」を患者50人に配り、アンケートに回答してもらう。
  • 「退院支援システム」を県内の1カ所のがん診療連携拠点病院にテスト的に導入する。
  • がん患者の退院時に「宮城版:退院サポートキット(完成版)」を配布できるように、サポートキットを完成させる。
  • 「宮城版:退院サポートキット(完成版)」を200人に配布し、アンケートを回答してもらう。
  • 3年間で、退院支援システムを県内の計3カ所のがん診療連携拠点病院に導入する。
  • 患者は、退院後の療養の不安に対して知識や、県内の相談所の情報を得て、自分らしい生き方ができるようになる。
  • 退院支援のシステムを備える病院が増え、退院後の地域連携が進む。

これらの目標を達成するために、がん患者とその家族、医療や行政に携わる人々、地域の方々とつながりながら本プロジェクトを進めていきます。

こんな動きにつなげたい・こんな効果を引き出したい

  • 「退院サポートキット試作版」を受け取ったがん患者にアンケート協力をいただき、「満足度平均」で高評価を得られるような改良を行う。
  • 宮城県大崎市の大崎市民病院での「退院支援システム」研修会に、病院のスタッフに参加してもらう。
  • 「退院支援システム」研修会参加者にアンケート協力をいただき、「退院支援システム」の向上をはかる。

私たちに注目してください

私たちは、地域の皆さんとコミュニケーションの場を設けます。インターネットなどを通して発信される私たちの動向に、どうぞご注目ください。

  • 2009年8~11月にかけて「退院サポートキット」作成ミーティングを行う。(有識者へのヒアリングを含む)
  • 12月中に「退院サポートキット 試作版」を50部作成する。
  • 「退院サポートキット 試作版」を50部配布する。(対象病院:大崎市民病院、対象疾病:乳がん、子宮がん、胃がん、大腸がん)
  • 「退院サポートキット 試作版」を配布したがん患者50人に対し、アンケートを実施する
  • 10月~11月にかけて大崎市民病院のスタッフ対象(30人規模)の退院支援システム研修会を2回開催する。

本プロジェクトは、私たちが進めます。(かっこ)内は所属を表しています。

  • 郷内 淳子(婦人科がん患者会「カトレアの森」 代表)市民医療リーダーに聞く
  • 中山 康子(NPO法人 在宅緩和ケアセンター“虹” 代表)
  • 菅原 よしえ(石巻赤十字病院 がん看護専門看護師)
  • 北川 禮子(石巻ホッとサロン 代表)
  • 芳賀 芳子(石巻ホッとサロン 代表)
  • 川原 礼子(東北大学 看護学教授)
  • 平山 史子(宮城県保健福祉部 疾病・感染症対策室 がん対策班)

メンバーからのメッセージ

がん患者に対する退院後のサポートは重要です。
宮城県のがん患者が安心して療養するためには、ここは見過ごせません。

郷内さんがん患者はたとえ退院しても、再発への不安や療養に伴う体の苦痛に耐えています。自分の状況と今後の療養に関してどんな選択肢があるのかが分かれば、不安は取り除かれ心の支えが得られます。このためには療養生活についての知識のほかに、どこに行けばどんなサービスを得られるのかといった、地域に根ざした支援の情報が必要です。

私自身、5年前にはがんと闘っていました。当時の入院期間は今よりも長かったため、自分の病気を受け入れ退院後に必要な情報を集める心のゆとりが持てました。しかし、心のゆとりは入院期間の短縮によって失われつつあります。私たちは昔の良かった点が失われたと嘆くのではなく、今の状況に応じた対策を考える必要があります。まずはがん患者の退院時に的を絞り、過不足のない情報を手渡せるように努めます。このために在宅緩和ケア支援センターや患者サロンなど、市民を中心に多様な立場で働く人と手を取り合いながら一歩ずつ前進しているところです。

(郷内 淳子:婦人科がん患者会「カトレアの森」代表)

関連リンク

支援や協力の得られる団体

  • 宮城がん患者支援の会
  • 婦人科がん患者会「カトレアの森」
  • NPO法人 在宅緩和ケア支援センター“虹”
  • 石巻ホッとサロン
  • 宮城県大崎市民病院(がん診療連携拠点病院)
  • 石巻赤十字病院 (がん診療連携拠点病院)
  • 宮城県保健福祉部 疾病・感染症対策室 がん対策班
  • 宮城県がん対策推進協議会
  • 東北大学大学院医学系研究科
  • 宮城県対がん協会

以下の予定でプロジェクトを進めます。

8月 上旬 オフィス開設
サポートキット編集作業開始
中旬 サポートキット編集資料収集
下旬 サポートキット編集資料収集
第1回 編集会議
9月 上旬 大崎市民病院と調整
第2回 編集会議
中旬 第3回 編集会議
下旬 第4回 編集会議
10月 上旬 大崎市民病院と調整
第5回 編集会議
中旬 大崎市民病院 第1回研修(看護部対象)
第6回 編集会議
下旬 第7回 編集会議
研修後の評価
11月 上旬 大崎市民病院と調整
第8回 編集会議
中旬 大崎市民病院 第2回研修(看護部対象)
第9回 編集会議
下旬 第10回 編集会議
12月 上旬 患者50人にキットを配布/アンケート配布
中旬 患者50人にキットを配布/アンケート配布
下旬 アンケート収集・分析

本プロジェクトへのお問い合わせは、下記までお願いいたします。

戻る

「宮城版 退院時サポートキット完成披露会」を開催します。がんになったときの療養を支えるツールとして、地域に根ざした支援の情報を記載した冊子「宮城版 退院時サポートキット」を紹介します。

PDFが開きます↑ クリックするとPDFが開きます。

2010年3月23日

「宮城版 退院時サポートキット完成披露会」を開催します。がんになったときの療養を支えるツールとして、地域に根ざした支援の情報を記載した冊子「宮城版 退院時サポートキット」を紹介します。

大崎市民病院で「退院支援システム導入」研修会を開催いたしました。看護部中心に26人のご参加をいただき、講師の石巻赤十字病院 退院支援看護師 橋本 千賀さんより、退院支援システム構築の事例を紹介いただきました。

2009年11月6日

大崎市民病院で「退院支援システム導入」研修会を開催いたしました。看護部中心に26人のご参加をいただき、講師の石巻赤十字病院 退院支援看護師 橋本 千賀さんより、退院支援システム構築の事例を紹介いただきました。

大崎市民病院 看護部を中心としたスタッフの方々へ今回のプロジェクトの説明をいたしました。

2009年7月29日

大崎市民病院 看護部を中心としたスタッフの方々へ今回のプロジェクトの説明をいたしました。