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がん政策サミット2014(最終回) 開催レポート

  「データから地域の現況を把握する」
 国際医療福祉大学大学院 医療福祉経営学分野 准教授 石川 雅俊さん

地域ごとに将来的な需要見て医療資源の配分を

 二次医療圏データベースは、3年前に作成されました。基本的には公開データを使い客観的なデータを見て他地域と比較できるようになっています。例えば、がん診療連携拠点病院が各医療圏にどのくらいあるか、あるいは、ない医療圏がどこなのか、色づけをして地図を出すこともできます。

 今後は65歳未満の人口が毎年100万人減っていき、2025年までは75歳以上が大きく増えていく状況にあります。これを都道府県別にみると格差があります。特に首都圏を中心とした都市部で75歳以上の人口が大幅に増える中で医師が足りなくなります。一方で、すでに高齢化が進んでいる県もあり、そういったところでは75歳以上は増えていきません。医療・介護に余裕がある医療圏では逆にダウンサイジングが必要なところもあり、目指すべき方向性は、地域ごとの将来的な需要と供給によって異なります。

 がん医療についても治療の浸透度には格差があります。例えば、放射線治療が行われていない医療圏は88か所もありました。がんの手術など急性期治療を行う病院や希少がん種の治療はある程度集約化されていくと思います。逆に、在宅ケアのような部分は一次医療圏的に完結する必要がある。その際、患者さんを中心とした協議の場が設定される必要があります。どういう人口規模、地域単位で医療を完結させるのかを考えていく必要があり、予防からフォローアップ、緩和ケアのところまで、ケアサイクル全体でマネジメントしていくことが必要でしょう。

 地域格差は大きい。その中で地域特性、将来的な需要と供給とのギャップを踏まえて、医療資源の配分の方向性を考えていかなければなりません。次のアクションとして、ご自分の医療圏、都道府県の現状を把握して今後の方向性を設定し、環境が似ている地域同士でコミュニケーションする、地域に協議の場を設けて患者さん中心の医療の実現するための議論の場を設ける、といったことが考えられると思います。

ディスカッション

 ディスカッションでは、「PDCAサイクルの前にリサーチが必要。Rを加えてほしい」、「データを蓄積して病院の評価をしていくということですが、個々の病院が評価を受け入れる体制をどう整えるのか」「医療施設の再編成とまちづくりは一体化しているのではないか」といった意見や質問が出ました。これに対し宮田さんは、NCDが専門医制度と結びついており、参加しなければ専門医になれない仕組みであることを説明。石川さんは、「まちづくりとの連動は重要で、都市部の人に生活の質を考えて移住を進めてもらうのも一つのメッセージ。過疎地域に関しては、買い物、生活サービスと一体で考えなければいけない。補助金みたいな形である程度の優遇措置が必要ではないではないでしょうか」と話しました。
( 医療ライター・福島安紀 )



  当日プレゼン資料: データから地域の現況を把握する (3.3MB)


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(更新日付:2014年06月17日)

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