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がん政策サミット2014(最終回) 開催レポート

  「国のがん対策が目指すもの ~最近の動向~」
 厚生労働省がん対策推進協議会 会長 門田 守人さん

患者さんが能動的に社会に働きかけ、世の中をいい方向へ変える時代

 がん対策ではPDCAサイクル、すなわち計画して実行に移してチェックして改善するということが非常に重要なのですが、がん対策についてはこれまで質を評価する指標がなかなかできませんでした。第一期の5年間も必要だと言われながら進みませんでしたし、第二期に入るときも一期のものをチェックしながら進まなければならないにも関わらず、できなかった。どうしても、いまの段階で指標を決めて計画の進捗状況を評価しなければいけない。ということで、今年度の大きな目標は指標を決定し計測することです。拠点病院とそこで治療を受けている患者さんたちにお願いして、いまの状況に関するデータを集め、中間評価をしていくことが今年度の一番の課題になっています。

 量から質への見方が必要になったのが二期の基本計画ですが、それはいまの問題です。将来はどうするかという問題抜きには考えられません。明らかに高齢化が進んでいく中でいまでさえ四苦八苦している医療費の増大の問題をどうするのか。さらに後期高齢人口が増える時代が来るのは明らかなので、どういうふうにみんなが協力し合えるか、こういう場でディスカッションしていくことが大事です。

 いま健康な人もがんになった人も、いまわれわれが生きていっていることをどうみるか、自分自身で考えなければいけない時代が来ています。世界的に、医療の費用対効果をみるQALYという概念が出てきています。QALYは健康な状態を1として、生活の質をどう評価するかなのですが、例えば、長生きはできるけれど生活の質は下がる処置と、いまの生活の質は維持できるけれども比較的早く死ぬ治療のどちらを選ぶかという問題です。これは価値観の問題ですが、病気だろうと健康だろうと自分の生きざまをどうするか認識し、自分がどうしてほしいか家族に伝えておかないといけません。

 さまざまな病気を持ちながら暮らしている人が多く、健康な人と非健康な人を分けられない時代になりました。患者さんは援助、支援ばかりをしてもらう時代は終わったと考え、自分のほうから能動的に社会に働きかけることによって、自分の尊厳を認識すると同時に世の中をいい方向へ変えようとしなければいけない時代にきています。物事を身近に見る虫の目もいいけれども、社会全体の中でいまやっていることがどうなのか俯瞰して見る鳥の目が必要です。過去、現在、未来と動きつつある社会の変化を魚の目によって潮流を読むということもしていかなければいけない。皆さんが主人公です。みんな一緒にやっていかない限り事態は乗り切れないと考えています。
( 医療ライター・福島安紀 )



  当日プレゼン資料: 国のがん対策が目指すもの ~最近の動向~ (2.5MB)


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(更新日付:2014年06月17日)

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