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がん政策サミット2014(最終回) 開催レポート

  「放射線療法・化学療法・手術療法の更なる充実とチーム医療の推進/医療従事者の育成」
 東日本放送制作部 副部長、前・朝日新聞社科学医療部 記者 岩﨑 賢一さん

患者・家族にとって役立っているのか点検ポイントの見直しを

 がん対策推進基本計画ができて、だいぶ時間が経過しました。標準的な治療が各医療圏で受けられるようにと、まずは医療提供体制の充実を中心に施策が進められてきました。このがん政策サミットも毎年ミーティングが重ねられ、医療政策を動かすポイントについて患者のみなさんもだいぶ詳しくなられたと思います。ただし、評価の方法には工夫が必要です。よく政策を評価するときに、配置人数、予算金額、従事者、予算の執行、診療報酬の要件といったものの達成度を評価することがあります。

 がん政策サミットでも、他県と比較しながら、そのような取り組みをしてきたかと思います。ただ、みなさんにお聞きしたいのはそれがゴールなのでしょうか。医療政策で病院間を患者が移る医療連携を高める政策が進み、患者や家族は次に行く先を探すのにだいぶ苦労する時代になりました。在宅も含め、患者や家族のコーディネートの力が重要になっています。日本社会は今、高齢化が進み、非課税世帯が増えていきます。独居老人、特に独居の男性は、病院がなかなか受けてくれないという話もあります。

 患者や家族、支援者のみなさん。これまで医療者との溝を埋めるべく、努力をされてきたと思います。ただ、整備されたものや標準化されたものが実際に機能し、患者の治療や療養に寄与し、家族も含め、「よくなった」と実感できなければ、意味がないと思います。実際に、患者や家族にとって、適切で質のいい医療が受けられるようになっているかを評価する方法や仕組みを考え、課題があれば改善していかなければいけないと思います。

 もうひとつ重要なのは、都道府県のがん対策推進計画では、二次医療圏ごとに適切な医療が受けられるように整備するようになっています。ただし、日本はフリーアクセスで病院が選べますから、必ずしも自分の住む二次医療圏内の病院を選ぶわけではありません。自分の病気に合った医師がいるところを選んだり、治療成績のいい病院を選んだりすることは日常的にあります。これは東京など大都市に限ったことではありません。医師や病院にも、市場原理が入り込んでいますし、コンサルタントがかかわるケースはもう日常的です。こういった現実も踏まえて、評価や政策は考えなければならないと思います。

 私が提案したいのは、「点検ポイントの見直し」です。施策、予算の説明書からは見えない問題があります。ゴールは何かを思い出し、もう一度、評価のものさしの工夫、追加が必要なのではないでしょうか。患者や家族にとって、適切な医療が提供されたかをフォーカス・グループ・インタビューのような形も含めてきちっと調べ、評価し、現場の「改善」に反映させていく努力が必要ではないでしょうか。よく、よりよい治療を受けるには患者や家族にとって「まずは情報だ」という声をよく聞きます。しかし、情報や人脈に長けていて、強い患者や家族だけではありません。

 ディスカッション

 ディスカッションでは、医療従事者の育成に取り組む各県の取り組みとして、「放射線治療専門医の育成事業に昨年から取り組み、3年計画で毎年1人ずつ輩出していく予定」(奈良県)といった具体例が上がりました。また、「文部科学省が『がんプロフェッショナル養成プラン』を行っていることも念頭に入れて各県の施策をすすめてほしい」といった声も。「明確な成果を出すのが難しいテーマですが、もう一度足元を見直して、さまざまな関係者が輪になって前に進んでいただければ」と、司会の埴岡が最後にまとめました。
( 医療ライター・福島安紀 )


  当日プレゼン資料: 放射線療法・化学療法・手術療法の更なる充実とチーム医療の推進/医療従事者の育成 (0.1MB)


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(更新日付:2014年06月17日)

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