どこに住んでいても納得いくがん治療を 〔全4回〕 濱本 滿紀さん
母親の生活を支えたがん治療。納得いくがん治療がどこでも受けられる社会を目指して――
濱本 滿紀さん- 大阪府がん対策推進計画協議会委員 癌と共に生きる会事務局長
来年は診療報酬改訂の時期です。いままでは中央でばかり審議されて、地方の一般の患者たちはその仕組みが分からずに来ました。でも、地方の患者会それぞれが力をつけてきているので、癌と共に生きる会としてもそういう動きに加わり、連動して声を上げていきたいと思います。
進行がんの治療をする先生方は、未承認薬を使って混合診療すれすれのことをし、診断病名を変えるなどして、何とか世界標準の治療を患者の負担が少なく、治療が受けられるようにしてくださっています。自分の信念に基づいた治療をすると病院が赤字になり、そのために、組織からつまみ出される医師もいる。
また、大阪府の拠点病院見学に行くと、先生たち愛想よく迎えてくれるのですが、すごく使い古した医療機器を修繕に修繕を繰り返して使っていらっしゃる。診療報酬が、本当に必要なところへ行っていないと感じます。
患者のために親身になって治療してくださる医療機関を守るためにも、これから勉強して、診療報酬改訂のパブリックコメントで声を上げ、大きなうねりに変えていきたいですね。
--最後に、日本医療政策機構に期待することをお願いします。
診療報酬改訂のタイムスケジュール、どういう動きをしていけば、患者の声を上手に反映させられるか、教えていただければと思います。
中央だけではなく、地方からも声を上げる必要があるので、大阪での勉強会にも来ていただいて、本当に診療報酬改訂を動かすパブリックコメントにつなげられたらいいですよね。がん政策サミットはハイレベルの勉強ができる場でいいと思いますが、地方の勉強会やセミナーは、硬いばかりではだめです。その日に持って帰るおみやげ、今日話を聞いてためになった情報、「そこをつけばええんやなぁ」というのがないと。「抗がん剤治療って、どこででもいろんな種類もってはらへんのは薬代しかつかないからなんや」といった発見があればいいと思います。
がん政策サミットは、そこで学んだことを自分の地方に帰って行かさないと意味がない。ただ、自戒を含めて言うと、いまのところはイニシアチブというか、アドバンテージが患者会側にあるけれども、私はいつか揺り返しが来ると思っています。だからこそ、高圧的に行政に圧力をかえるのではなく、行政、医療関係者と一緒にがん医療を変えて行ければと思います。
濱本 滿紀(はまもと・まき)さん
母親の闘病をきっかけに、がん患者会「癌と共に生きる会」の設立に参加し、未承認薬の一括承認を求める署名活動、がん治療の地域格差の改善を求める要望活動などを展開。2005年の第1回がん患者大集会では実行委員長を務める。06年「大阪がん医療の向上をめざす会」設立に運営委員渉外担当として参加。07年より大阪府がん対策推進計画協議会委員。
更新日:2009年12月25日





