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がん政策サミット2010秋 11月8日のレポート

1時間で患者視点のがん対策がわかる議員勉強会

国のがん対策の決定プロセスの改善を要望
超党派のがん議連の活動再開へ

 

 「がん政策サミット2010秋」の締めくくりとして、参議院議員会館で国会議員勉強会を開催。勉強会には、衆参両議員13人、秘書19人が参加し、がん患者・家族の声に耳を傾けました。

 国会議員勉強会では、冒頭、当機構の埴岡が、がん対策の現状と課題を話しました。

 「がん対策基本法を国会議員全員一致で作っていただきました。確かに進歩もあるのですが、一方で患者さんに改善が届いているかというと、そうでもない。アンケート調査の結果では、不安、落ち込み、恐怖を感じるという方が64%。痛み、苦痛を感じるという方が60%いて(当機構の実施した患者意識調査結果より)、対策を始めてはいるものの患者さん一人ひとりには届いていないという現状があります」。

 こういった現状を受け、患者関係者と国会議員との定期的な意見交換の仕組みの重要性を指摘しました。

 続いて、参加した国と都道府県のがん対策推進協議会患者委員が、「①国のがん対策予算策定プロセス、②国のがん対策推進基本計画の策定プロセス、③国のがん対策を所管する組織――に問題があり、このままでは、2012年度から始まる次期がん対策推進基本計画が不十分なものになる」と、意見書を示しながら、国会議員に訴えました。

 議員からは「皆さんと一緒にぜひ頑張りたい」といった発言がありました。一方で、「具体的に、どういう問題があるから、こういうふうに動いてほしいと示してくれると国会議員として動きやすくなる」といった指摘も。

 元厚生労働大臣で参議院議員の尾辻秀久さんは、がん対策推進協議会運営の見直しを議員に訴える患者委員の発言に対し、次回協議会の傍聴を約束。「超党派のがん議連は開店休業状態でしたが、官房長官の仙谷由人さんとも、私が当面会長をさせていただきながら、問題を整理しようということになりました。行政と皆さんとの溝が深まってもよいことはない。私どもが溝を埋めながらお互いによりよいものにしていかなければいけない」と、超党派がん議連である「国会がん患者と家族の会」の活動再開を宣言しました。

講演資料はこちら>>

「国のがん対策の見直しに関する意見書」はこちら>>

 

国立がん研究センター 嘉山理事長との意見交換会 
がん専門施設の現況とこれから ―国立がん研究センターの使命―
(独)国立がん研究センター理事長 嘉山孝正さん

患者目線でがん研究センターに提案を
がん難民、ドラッグ・ラグをなくす取り組み

 2010年4月に独立行政法人となり、人事を刷新するなど、大きく変わりつつある国立がん研究センター。改革を進める嘉山理事長が、「がん専門施設の現況とこれから~国立がん研究センターの使命~」をテーマに下記のように講演をしました。

  がん研究センターは、いま、「職員のすべては患者さんのために!」ということをうたっています。

 がん対策については、エビデンスが欠如しています。たとえば、「がん難民」といいますが、その定義や実態ははっきりしない。そこで、当センターでは 2010年7月にがん相談対話外来を開設しました。普通のセカンドオピニオン外来とは違って、医師以外に、看護師やソーシャルワーカー、精神腫瘍医が同席 します。この結果、がん難民といわれる人たちが、どういう問題を抱えているか、だいぶわかってきました。これによって、政策立案に生かせるようにもなって きます。

 がん登録がなぜ進まないかというと、誰も得をしない仕組みになっているからです。登録によって自分のがん治療が標準治療かどうかチェックしてもらえる仕組みにするなど、患者さんに利益がなければ進むわけがありません。

患者さんと一緒にがん医療を変えたい

  ドラッグ・ラグについては、国内審査の期間の長さが原因かと思ったら、治験に参加する方が充分に集まらないことなどによる治験着手の遅れが原因であること がわかりました。この対策については、2010年10月に、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会の下に「臨床試験部会」を作りました。これは、当センターを中心に全国のがん診療連携拠点病院が連携して治験に取り組む体制を整え、ドラッグ・ラグの解消をめざすものです。また放射線の一種であるホウ素中性 子捕捉療法(BNCT)、覚醒下手術など、最新の医療研究も進めます。

 さらに、情報をきちんと開示しようということで、1~3カ月に1 回、患者団体の方にも参加していただいて、記者会見を行っています。誰でも参加できますので、患者さん目線でこういうことをやってほしいと提案してくださ い。その代わりできないことはできないといいますし、我々ができることには限界があるので、そういった部分はぜひ皆さんに協力していただきたい。

 これだけの高齢社会に直面するのは日本が世界で初めてです。足場から作っていけば、世界でも尊敬される国民になれる。そのためには、みんなでやっていくしかないと思います。

※肩書きは当時のものです

<11月6日  <11月7日

更新日:2011年04月18日

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